日本の自殺問題について

お墓

交通事故よりも多い自殺による死亡率

日本人の死亡原因を調べた統計によると、最も多いのは「悪性新生物(がん)」の29.5%です。

このデータだけを見ると日本人の3人に1人くらいはがんを罹患して亡くなってしまうという理解をしてしまいますが、その一方で非常に気になる数字となっているのが「自殺」による死亡件数です。

国民全体で見ると自殺によって死亡した人の割合は全体の2.5%となっています。

悪性新生物の29.5%と比較すると2.5%という数字は少ないように感じるかもしれませんが、年間に亡くなった人のうち50人に1人は自殺していると考えるとその割合は決して低いものではありません。

人には寿命があるのでどうしても年齢が高くなるほど死亡率が高くなり、20~30代くらいの人は65歳以上の人に比べるとかなり死亡する確率は低くなります。

しかしそんな20~30代の死亡率を押し上げているのが「自殺」による死亡例であり、20~39歳までの年間死亡者の原因の第一位はなんと「自殺」となっているのです。

20代における死因第二位と30代における死因第三位が「不慮の事故」となっていることから考えると、交通事故で亡くなるよりも自殺する人が多いということになってしまいます。

日本における自殺理由

日本の自殺率は諸外国と比較してもかなり高く、先進国の中ではロシアに次いで第二位というふうに言われています。

WHOの調査でも日本の自殺率の高さは突出して高いと公表されており、決して他人事としてすませることができる問題ではありません。

全国で見てみると平均的に1998年頃から急激に上昇していることがわかり、また自殺率が高い地域としては秋田県や青森県など東北地域が目立っており、自殺者数では人口が多い東京都がトップとなっています。

そこでなぜ自殺をしてしまうのかについて調べたところ、最も多いのは「健康問題」であり次いで「経済・生活問題」となっています。

しかし20代~50代までの現役世代だけで見てみると自殺理由のトップは「経済・生活問題」であり、そのうちの3割は遺書を残しています。

やはり長引く経済不況が自殺の原因を作り出しているようです。