健康被害を起こす子どもの誤飲事故

ボタン電池の誤飲が多い

子どもの家庭内事故というのは決して少なくありません。
どんなに注意をしていても、床に落ちていたものを間違って飲み込んでしまったといった事故が起こる可能性はあります。
子どもというのは好奇心が非常に強く、大人が考えも寄らないものを口に入れてしまうことがあります。
ハイハイを始めたばかりの赤ちゃんなども、手に届くものは片っ端から口に入れてしまうことがあるので、注意しましょう。

誤飲事故の中でも特に多いのはボタン電池です。
ボタン電池というのは文字通り丸いボタンのような形をした小型の電池のことで、赤ちゃんの口にも入るような大きさなので取り扱いには厳重に注意する必要があります。
消費者庁と独立行政法人国民生活センターが共同で行っている「医療機関ネットワーク事業」に参画している27の医療機関から報告された事故情報によると、ボタン電池を誤飲して医療機関の診察を受けた子どもの事例は、平成27年1月から令和元年12月までにかけて124件ありました。

誤飲した疑いが強い事例も含めると、事例は242件にも上ります。
このうち、32件は入院が必要な事例でした。
ボタン電池を飲み込んだ事例では1歳児が圧倒的に多く、その後に0歳・2歳と続いています。

ボタン電池の危険性

ボタン電池というのは、飲み込んだことによって起動などを塞ぎ窒息する危険性の他に、化学やけどを起こす可能性があり大変危険です。
飲み込んだボタン電池が粘膜に接触すると、電気分解が起こり、電池の外側にアルカリ性の液体が発生します。
アルカリ性の液体にはタンパク質を溶かす性質があり、粘膜が化学やけどの状態になります。

万が一ボタン電池が胃まで達してしまうと、胃液で電池に腐食が起こり、中にある電解液が外に漏れ出してくることも考えられます。
医療機関ネットワーク事業に寄せられた事例によると、気管や食道に穴が開いていた、あるいは損傷しており1〜2ヶ月の入院が必要になったケースもあります。

ボタン電池の誤飲を防ぐためには

ボタン電池の誤飲を防ぐためには、とにかく子どもの手に届かないところに保管しておくことが重要です。
ボタン電池が入っている機器に関しては、電池フタが簡単に取り外せるタイプかどうかを今一度確認してみましょう。
開け閉めが簡単なフタの場合には、テープなどを使って子どもがフタを開けられないようにしておくといった工夫を怠ってはいけません。

子どもは親のすることをよく観察していますので、ボタン電池を交換する際には子どもが見ていない時に行うことも事故を防ぐための重要なポイントです。
新しくボタン電池を入れる機器を購入する場合、ネジ止め式の電池フタなど子どもが簡単に開けられないものを選ぶことも頭に入れておきましょう。