患者さんと医師の仲介役になる「医療メディエーター」

医師に診察してもらう患者

医療の現場で活躍する医療メディエーター

医療に携わる仕事は医師や看護師だけではありません。
他にもいろいろな仕事があり、常に新しい仕事も誕生しています。
その中の一つが医療メディエーターです。

患者さんは病気になると様々な不安を抱えます。
医師や医療従事者はしっかりと患者さんに寄り添って医療行為を行うものですが、時にはうまく情報が伝わらなかったり患者さんがナーバスになってしまったりすることもあるものです。
そういった時、なかなか両者の思いが伝わらずもめてしまうこともあります。

解決するためには第三者が介入することで話し合いが円滑に進むようになったり落ち着いて両者の話が進められるようになったりします。
そのような役割を果たすのが医療メディエーターです。

メディエーションというのは仲裁、仲介という意味があります。
メディエーションをすることによって対立している両者が話し合いをしている状態から信頼関係を取り戻せるように対応をすることが医療メディエーターの仕事です。

もともとはアメリカやイギリスなどの海外ではメディエーションが医療に活用されてきました。
その流れをくんで日本でも2005年から公益財団法人である日本医療メディエーター協会や日本医療機能評価機構といった団体が医療メディエーターの養成をする研修会を開催し普及のための取り組みが進められるようになっています。

医療メディエーターになるためには

医療メディエーターは資格のある仕事ではありません。
とはいえ必要な知識もありますから、社団法人である日本医療メディエーター協会に申請をして養成講座を16時間以上受講することが必要です。
受講が終わると医療メディエーターとして認定されます。

認定をされるためには日本医療メディエーター協会に入会し登録をしなければなりません。
年会費は6000円必要で入会年から5年を期限としてポイントを取得して更新手続きをすることが必要です。
ポイントは医療メディエーションに関しての活動に参加をして獲得することができます。

医療メディエーターになることのメリット

医療メディエーターの資格は看護師も取得している人が多いです。
普段の看護師の仕事の中で医療メディエーターのスキルが活用できる場面は豊富にあります。
看護師としてのスキルアップにも有効です。

また、これから高齢化社会を迎える日本では医療メディエーターを必要とする場面は増えていくと考えられます。
家族が離れていて高齢者の様子がわからない場合に的確に状態を伝えたり、家族の中で意見が割れた際に話し合いに介助として入ったりといった形で参加をする場面も増える可能性が高いです。
医師と患者さんとの間に入りトラブルなく、そして少しでも不安を解消し医療行為を受けられるようにサポートする仕事は今後も活躍の場は広がることが予想されており、確実にニーズのある仕事であると考えられます。